2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いたDーセリン関連遺伝子の同定と統合失調症の病因解明
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21590292
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 篤司 東海大学, 医学部, 准教授 (80271592)
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Keywords | セリンラセマーゼ / D-セリン / ノックアウトマウス / 統合失調症 |
Research Abstract |
野生型マウス及びセリンラセマーゼノックアウト(SRR-KO)マウスの大脳皮質を用いて、Agilent Whole Mouse Genome Oligo Microarrayを行った。野生型マウスに比較してSRR-KOマウスで、potassium inwardly-rectifying channel,subfamily J,member 5,cholinergic receptor,nicotinic,betapoly peptide 4,angiotensin I converting enzyme 3,olfactory receptor 474などの遺伝子発現が有意に増加していた。一方、olfactory receptor 137,collagen alpha3,olfactory receptor 1458,calcium/calmodulin-dependent protein kinase IIdelta(CaMKIId),serine racemaseなどの遺伝子発現は有意に減少していた。現在は、発現変化が見られた遺伝子の中から統合失調症と関連性がある遺伝子を選択し、RT-PCRやウエスタンブロット等を用いて再現性を確認している。また、マイクロアレイ法においてCaMKIIdの発現量がSRR-KOマウスで減少していた。CaMKIIa,b,dはNMDA受容体の下流に存在し、LTPの形成過程に関係していることから、NMDA受容体機能が低下しているSRR-KOマウスでCaMKIIa,b,dなどの酵素が減少している可能性がある。現在、CaMKIIa,b,dのRT-PCRとウエスタンブロットを行っている。
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