2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺静脈心筋自動能における細胞内カルシウムとナトリウムカルシウム交換機構の役割
Project/Area Number |
21590293
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 光 Toho University, 薬学部, 教授 (40236617)
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Keywords | 肺静脈心筋 / Na^+ / Ca^<2+>交換機構 / Na^+ / Ca^<2+>交換機構 / イメージング / T型カルシウムチャネル |
Research Abstract |
微小電極法により肺静脈心筋の自発的活動電位波形を安定して記録する実験系を構築した。高頻度電気刺激、ouabainなど細胞内にCa2+を負荷する処置により、電気活動の頻度や持続時間が増大することが捉えられた。 この実験系を用いて肺静脈自動能に関与するイオンチャネル・トランスポーターを薬理学的に検討した。Na+/Ca2+交換機構阻害薬のSEA0400、T型Ca2+チャネル阻害薬のR(-)-efonidipine、筋小胞体のCa2+放出を阻害するryanodineにより自発活動が抑制された。 これまで心房筋細胞や心室筋細胞適用されて来た蛍光Ca2+イメージング法を肺静脈心筋の細胞に適用可能なものに改良し、細胞内Ca2+濃度変化を観測しながら自動能の薬理学的検討を行った。肺静脈心筋細胞にouabain等の処置を加えると、細胞質内Ca2+濃度の増大がみられた。これに伴いCa2+ウェーブやCa2+スパークが高頻度で観測され、これらが引き金となって生じる自発的なCa2+トランジェントが捉えられた。SEA0400は細胞内Ca2+濃度、Ca2+ウェーブ、Ca2+スパークに著明な影響を与えない条件下でCa2+トランジェントの発生を抑制した。 これらの結果から、T型Ca2+チャネルからの流入増大などにより生じた細胞内Ca2+の増大が、筋小胞体からのCa2+放出を亢進させ、このCa2+をNa+/Ca2+交換機構が細胞外にくみ出す際に生じる内向き電流が細胞膜を脱分極させ、自発的活動電位の発生の引き金になっていることが示唆された。
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Research Products
(20 results)