2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性咳嗽時の咳感受性亢進機序におけるCdk5シグナルの関与
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21590294
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
亀井 淳三 星薬科大学, 薬物治療学教室, 教授 (40161236)
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Keywords | 慢性咳漱 / テトロドトキシン / TTX抵抗性ナトリムチャネル / C線維 |
Research Abstract |
慢性あるいは遷延性咳漱に対する有用な治療薬の探索につながる糸口を見出すことが本研究の最終目的であり、これまで慢性あるいは遷延性咳漱における咳感受性におけるC線維の関与を検討してきたが、本年度はC線維の活性亢進におけるNa^+チャネルの関与を検討した。Type II pyrethroid系殺虫剤であるフェンバレレートはそのNa^+チャネルオープナーとして作用しその活性を示す事が知られている。フェンバレレートをマウスに吸入させることで濃度依存的に咳漱数を増加させることを見出した。フェンバレレートにより誘発される咳漱はテトロドトキシン(TTX)の投与により有意に減少したが、その抑制程度は非常に小さいものであった。一方、TTX抵抗性Na^+チャネル阻害作用を持つことが最近見出された去痰薬のアンブロキソールおよびTTXを同時に投与することで、フェンバレレートにより誘発される咳漱反射は完全に消失した。これらのことからフェンバレレートはTTX抵抗性Na^+チャネルの活性化により咳漱反射を誘発することが明らかとなった。一方、Cdk5の活性化によりC線維の活性化が亢進することを明らかにしているovalbmin感作により作成した気道炎症モデルマウスにおいて、フェンバレレート誘発咳漱数が、非感作マウスに比べ有意に増加することも明らかとなった。これらのことから、慢性あるいは遷延性咳漱時における咳漱感受性亢進にTTX抵抗性Na+チャネルの活性化を介した、C線維の活性亢進が関与していることが示唆された。
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