2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590302
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北嶋 繁孝 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
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Keywords | ストレス応答遺伝子ATF3 / Alternate promoter / ATF3標的遺伝子p15 / DNA修複 / Toll-like receptor 4 / 肥満マクロファージ / 網羅的ChIP-chip / System biology |
Research Abstract |
ストレス応答は、個体の恒常性(ホメオスターシス)を保つ重要な生体反応であり、各種刺激によって迅速に誘導される初期応答遺伝子は、生体の"genomic gatekeeper"として細胞の増殖と死のOutcomeを決定している。bZip型転写抑制因子ATF3は、ストレス応答において細胞の増殖(pro-survival)と細胞死(pro-apoptotic)の相反する機能に深く関わっているが、当該年度において以下の点を明らかにした。1.ATF3遺伝子の新規alternative promoter P1がストレス応答とがん細胞での恒常的発現とで異なった制御を受けることを発表した。特に、がん細胞におけるP1 promoterの選択的発現から、がんにおけるepigenetic制御が示唆された。2.皮膚細胞の紫外線応答において低いdoseの刺激におけるATF3の新規標的遺伝子p15を同定しp15-p21の置き換わり機構によってDNA修複に関わるが、一方で、高いdoseの紫外線に対してはATF3が細胞死を誘導することを示して、紫外線の容量の違いによって、ATF3の細胞運命制御がdualに制御されていることを明らかにした。3.肥満において脂肪組織の慢性炎症の関与が指摘されている。遊離脂肪酸によるマクロファージのTLR4活性化経路をATF3がnegativeに制御することによって慢性炎症を抑制し肥満を軽減する可能性を提示した。以上、ATF3の、がん、DNA修復、炎症など生物機能への関与を報告した。4.HCT116ヒト大腸がん細胞のストレスト応答とATF3恒常的発現前立腺がんLNCaP細胞において、発現アレイ解析とATF3 ChIP-chipプロモーターアレイ解析によるATF3のdirect target geneを検索し、学会報告を行った
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Research Products
(7 results)