2010 Fiscal Year Annual Research Report
RAGEオリゴマー化とγ-セクレターゼによる新たなシグナル受容機構の解明
Project/Area Number |
21590304
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (40303268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博 金沢大学, 医学系, 教授 (00115198)
棟居 聖一 金沢大学, 医学系, 助教 (10399040)
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Keywords | RAGE / protease / shedding / cAMP / phosphodiesterase |
Research Abstract |
RAGE(receptor for advanced glycation endproducts)を介するシグナリングにおいて、RAGEのオリゴマー化およびγ-セクレターゼなどのプロテアーゼが果たす役割を明らかにすることを目的とし、研究実施計画に基づいて研究を遂行した結果、以下の成果を得た。 1.RAGEシグナリングにおけるcyclic AMP依存性シグナル伝達経路の関与 昨年度までの研究で、AMPを介する経路がRAGEの発現制御、および、シグナル伝達に関与していることが示唆された。本年度は、cAMPがMMP9の活性化を介して、膜型RAGEのシェディングを促進し、膜型RAGEの減少による効果と、シェディングによって遊離された細胞外ドメインがおとり受容体としてRAGEリガンドを補足する効果の両者によって、RAGEシグナルを抑制することを明らかにした。 2.PDE阻害剤の効果の検討 ある種のphosphodiestrease(PDE)阻害剤を用いることによって、細胞内のcAMP量を増加させることができる。この作用がin vivoのレベルで有効であることを確認した。今後、RAGEの関わる病態モデルにPDE阻害剤を投与することにより、どのような効果があるのか検討する。 以上のように、本年度はcAMPがRAGEシグナルに影響を及ぼすメカニズムを明らかにすると共に、cAMPシグナルを操作することによるRAGE関連疾患治療の可能性の検討を開始した。
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