2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞でのインスリン分泌制御におけるEpac2/Rap1シグナルの役割
Project/Area Number |
21590308
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴崎 忠雄 Kobe University, 医学研究科, 講師 (00323436)
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Keywords | インスリン分泌 / cAMP / Epac2 / Rap1 / インクレチン |
Research Abstract |
膵β細胞においてインクレチン/cAMPシグナルによって活性化されたEpac2が、どのようなメカニズムでインスリン分泌増強を制御するかを明らかにする目的で、Epac2の下流シグナルを担う低分子量Gタンパク質Rap1の標的分子の同定を試みた。His-FLAGペプチドで標識したRap1をアデノウィルスを用いて発現させたインスリン分泌細胞株MIN6を10cm dishで計800枚分準備してcAMPアナログ8-bromo-cAMPで活性化した後、細胞を回収した。予備実験で100枚分の細胞を用い、Co^<2+>カラムと抗FLAG抗体カラムを用いて精製し、LC/MSによる解析を試みたところ、約100kDaに未同定のバンドを検出した。また、既知のRap1のeffector分子のうち、MIN6細胞や膵島に発現している分子の同定をRT-PCRおよびウエスタンプロット解析にて行ったところ、複数の分子を検出した。さらにこれらのタンパク質が活性化されたRap1と結合するかをMIN6細胞で検討したところ、2つの分子が同定された。これらの分子は種々の機能を有することが知られており、インスリン分泌にも関与する可能性が考えられる。 また、cAMP/Epac2シグナルが細胞骨格を制御することでインスリン分泌を増強するかを検討した。はじめに、8-bromo-cAMPによって活性化される分子として、細胞骨格制御に関与する低分子量Gタンパク質Rhoファミリーの分子を同定した。したがって、cAMPシグナルはRhoファミリーの分子を活性化することで細胞骨格を制御し、インスリン分泌を増強することが示唆された。
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Research Products
(14 results)