2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590315
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
丹伊田 浩行 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 講師 (20336671)
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Keywords | DNA修復 |
Research Abstract |
リボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)はDNA修復の際に原料となるdNTPsを供給する経路の律速酵素である。dNTPsプールは厳密に制御されていて不適当な供給はDNAに変異をもたらすことが明らかとなっている。出芽酵母からヒトに至るまでRNRは二つの大サブユニットR1と小サブユニットR2から構成される四量体として機能している。R1には活性中心とdATPによるアロステリック調節部位がある。我々は哺乳動物細胞においてRNRとTip60がクロマチン上で会合しTip60依存的にDNA修復箇所に移動することを報告した。Tip60がRNRの局在のみならず活性調節においても機能している可能性を考え以下の研究を行った。 1) in vitroのTip60アセチルトランスフェラーゼアッセイ ヒトのR1タンパクを約100アミノ酸ごとに8つのペプチドに分割し、リコンビナントタンパクを大腸菌の系を用いて発現させた。Tip60については昆虫細胞に発現させ、Glutathion agarose-beadsによりpull-downし酵素とした。In vitroにおいてアセチル基を転移させた後抗アセチル化リジン抗体により検出するとアミノ酸1-100の中にTip60によりアセチル化されるリジンが存在することが示された。 2)アミノ酸1-100の中のリジンを順次アルギニンに置換しin vitroアセチル化アッセイを行い5番目(K5)と17番目(K17)のリジンがアセチル化を受けていることを明らかにした。 3)同定したアセチル化部位をリジンからアルギニンに変異させたR1変異体(R1 KR), R2およびTip60の複合体を昆虫細胞内で形成させ、抗アセチル化リジン抗体により検出するとK5RおよびK17Rともにアセチル化のシグナルが減少し、両部位がTip60によりアセチル化されていることを示唆した。
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