2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590315
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
丹伊田 浩行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20336671)
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Keywords | DNA修復 |
Research Abstract |
DNAの安定性を維持することは我々ヒトを含む全ての真核生物にとり最も重要であると言える。このためDNAが紫外線なのど外的要因、または活性酸素など内的要因により損傷を受けるとこれを速やかに修復する機構が発達して来た。これらの修復機構の欠陥は癌などの重篤な疾患の原因となることが明らかにされている。 我々はDNA修復に伴うDNA合成の際に原料となる核酸(dNTPs)をDNAポリメラーゼに供給するための機構を明らかにした。この機構はdNTPs産生経路の律速酵素リボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)がDNA修復に必須の働きを持つヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)であるTip60と複合体を形成することでDNA損傷部位に到達し、その近傍でdNTPsの産生を行うと考えられるものであった。このときRNRの触媒サブユニットRRM1はTip60によるアセチル化修飾を複数箇所受けていることを昆虫細胞内にRNRのリコンビナント変異体とTip60を共発現させる方法によるin vitroのアッセイ系で明らかにした。また内在性のRRM1をMS解析することによりin vivoにおいてもRNR内にアセチル化修飾を受けていることを確認した。これらのアセチル化部位のうちRNRのアロステリック調節部位内に位置するものはRNR活性に影響を与えることが予想されるので昆虫細胞内において発現させたRRMI野生型およびアセチル化されるリジンアルギニンに置換したKR変異体、RRM2調節サブユニット、Tip60を発現させ、精製しRNR活性を測定するとRRM1がアセチル化されることで活性が維持される傾向にあることが明らかになって来た。
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