2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインによる老化誘導機序の解明とがん治療応用への基礎的検討
Project/Area Number |
21590316
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小島 裕正 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (40336772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 弘一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00227787)
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Keywords | サイトカイン / 細胞老化 / がん / シグナル伝達 |
Research Abstract |
インターロイキン-6(IL-6),IL-11,LIFといったIL-6ファミリーのサイトカインは,シグナル伝達性の受容体分子gp130を通じて複数の細胞内シグナル伝達系を活性化する.gp130に由来するシグナルは,標的細胞の分化・増殖・死などの細胞運命の決定において重要な働きを担っている.これまでにgp130受容体の活性化がヒト正常二倍体細胞を早期の細胞老化に導くことを明らかにしてきた.正常二倍体細胞細胞においてgp130シグナル活性化すると,刺激8日目以降で,老化関連ベータガラクトシダーゼ陽性細胞の増加や活性酸素種の増加といった各種の老化マーカーの誘導を伴う細胞老化が認められた.またこの細胞老化誘導はgp130シグナル系における主要なシグナル伝達分子であるStat3に依存していた.gp130刺激で産生される細胞老化誘導性の液性因子の存在を検討したところ,刺激2日目以降の培養上清中に老化誘導活性が確認された.また,この因子の産生はStat3の下流に位置していた.gp130刺激2日目に産生される因子をRNA干渉法でノックダウンしたところgp130刺激依存的な老化関連ベータガラクトシダーゼの活性の上昇,活性酸素種の産生の減弱が認められた.これらのことより,gp130シグナル誘導性の早期細胞老化は活性化されたStat3の下流で細胞老化誘導因子が働き引き続き活性酸素種の産生といった老化誘導に伴うカスケードを引き起こし最終的な老化に至っているものと考えられた.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] SIRT2 down-regulation in HeLa can induce p53 accumulation via p38 MAPK activation-dependent p300 decrease, eventually leading to apoptosis.2011
Author(s)
Li Y, Matsumori H, Nakayama Y, Osaki M, Kojima H, Kurimasa A, ItoH, Mori S, Katoh M, Oshimura M, Inoue T.
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Journal Title
Genes Cells.
Volume: 16
Pages: 34-45
Peer Reviewed
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