2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590329
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
今村 龍 Kanazawa University, がん研究所, 助教 (10311680)
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Keywords | 自然免疫 / 皮膚 / NLRファミリー蛋白 |
Research Abstract |
皮膚は粘膜とともに直接外界と接し、多彩な免疫機構によって生体を防御している免疫臓器であると考えられる。そこで皮膚における自然免疫系システムを実験的に検証するために、ヒト正常ケラチノサイトを用いて、様々な刺激を検討したところ、感染刺激やPAMPs刺激の中でも、合成核酸であるpolyIC刺激によって炎症性サイトカインの産生や細胞死が強力に誘導されることを見い出した。細胞質蛋白質ASCはカスパーゼー1活性化に必要なアダプター蛋白であり、マクロファージなどにおいて細胞内の感染監視システムで重要な役割を果たすことが明らかになっている。我々はヒトケラチノサイトにおいてもASCが強く発現していることを発見した。そこでpolyIC刺激後の反応におけるASCの役割を検討するためにsiRNAの一過性導入によるASC遺伝子のノックダウン法を確立した。現在その効果を検討中である。さらに遺伝子改変マウスを用いた実験を行うために、野生型マウス、ASC欠損マウス、およびPYNODトランスジェニックマウスよりプライマリーケラチノサイトを直接分離培養する方法を確立した。この野生型マウス由来のケラチノサイトにおいてもASCやPYNODが蛋白レベルで非常に強く発現していることを見い出した。今後これらのプライマリーケラチノサイトについても解析を行う予定である。PYNOD(NLRP10)は、我々がデータベース解析を用いて発見した新規の細胞内分子であるが、PYNODの個体レベルでの機能は現在のところ全く不明である。そこで皮膚および全身におけるPYNODの生理的機能を検討する目的でノックアウトマウスの作製を行った。現在までにPYNOD遺伝子のヘテロ欠損マウスが得られており、交配によってホモ欠損マウスを作製中である。今後はPYNOD欠損マウスについても解析を行う。
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Research Products
(7 results)