2009 Fiscal Year Annual Research Report
オーロラキナーゼの細胞分裂における機能とがんにおける異常の解明
Project/Area Number |
21590331
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 正志 Gifu University, 医学系研究科, 助教 (40260575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 幸雄 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (10177066)
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Keywords | オーロラキナーゼ / 細胞分裂 / 転写制御 / 細胞死 / がん |
Research Abstract |
Auroraなどの中心体タンパク質のRNA干渉により、紡錘体の異常と細胞死が起こるが、細胞死が起こる過程の紡錘体形態やシグナル伝達(p53, Caspase, BubR1, Mad2など)を解析した(論文執筆中)。また、AuroraとCDKの阻害剤であるJNJ-7706621の細胞分裂とチェックポイントへの影響を解析した。JNJ-7706621は、細胞周期をG1とG2期で停止させるが、高濃度では細胞死も引き起こした。また、ノコダゾールとJNJ-7706621を作用させると、紡錘体チェックポイントが解除され、細胞質分裂を行わずにG1期に移行する。この時、チェックポイントタンパク質、PLK1、細胞質分裂制御タンパク質の細胞内局在に異常がみられた(論文投稿中)。また、Aurora Aのユビキチン化に関与するCHFRのプロモーターのメチル化とAurora Aの発現量について、ヒト口腔扁平上皮がん組織を用いて検討した。CHFRのプロモーターのメチル化とAurora Aの過剰発現ががん組織で検出されたが、両者に相関は見られなかった(Oncology Reports)。さらに、CHFRと相同生のあるRNF8とAurora A、PLK1の発現量の関係について、がん細胞と正常細胞を比較した。RNF8は、がん細胞では発現が抑さえられていたが、Aurora AとPLK1は逆にがん細胞で過剰発現が見られた(論文執筆中)。 Auroraは、細胞周期と発がんの重要な制御タンパク質であり、多くの阻害剤が抗がん剤として開発中である。AuroraとCHFRやRNF8との関係の解析はがんにおけるAuroraの過剰発現機構の解明に役立つと考えられる。また、RNA干渉法や阻害剤による細胞死機構の解析は細胞死、細胞分裂、チェックポイントなどのメカニズムの解明と将来のがん治療において重要な意味を持つと考えられる。
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