2009 Fiscal Year Annual Research Report
AGEs特異抗体を用いた糖代謝異常の早期検出とその治療に関する研究
Project/Area Number |
21590340
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
永井 竜児 Japan Women's University, 家政学部, 講師 (20315295)
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Keywords | メイラード反応 / AGEs / 翻訳後修飾 / 糖尿病合併症 / フマル酸 |
Research Abstract |
2SCに対するポリクローナル及びモノクローナル抗体の作製:脂肪細胞では新規翻訳後修飾構造であるS-(2-succinyl)cysteine(2SC)が生成する(Nagai R et al.J.Biol.Chem.282 : 34219-34228, 2007)。今回、ウシ血清アルブミン(BSA)を還元して遊離のSH基を2SCに化学修飾した後、ウサギ2羽に免疫してポリクローナル抗体を作製した。また、還元したBSAをフマル酸と保温して得られた2SC化BSAをマウスに免疫し、2SC化卵アルブミン陽性の株をスクリーニングし、モノクローナル抗2SC抗体が得られた。現在、これら抗体がウェスタンブロッティングでも使用可能か検討中である。 病態の進展に関与するAGEsの同定:様々な抗AGEs抗体のライブラリーおよび機器分析を用いた解析から、Glyoxalase Iを高発現したマウスではAGE構造の一つであるNe-(carboxyethyl)lysine(CEL)の蓄積が減少すること、ヒトの膀胱や皮膚のコラーゲンではCMAが蓄積することが明らかとなった。また、ケトン体の代謝物であるアセトールからCELが生成することを見出した。1型糖尿病ラットではケトーシスを発症するが、クエン酸を投与することによって、ケトーシスが改善し、眼の水晶体中CEL蓄積が低下、さらに糖尿病性腎症の発症が改善したことから、クエン酸の摂取は糖尿病合併症の予防に有効であることが示された。
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