2009 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞増殖因子(FGF)21の代謝機能発現機構の解析
Project/Area Number |
21590343
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 Fukushima Medical University, 医学部, 准教授 (20446115)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 情報伝達 / 代謝調節 |
Research Abstract |
βKlothoは選択的に線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体と複合体を形成する結果、FGF21との安定した結合が可能となり細胞内への情報伝達が可能となる。興味深いことに、FGF21にインスリン活性を増強する機能のあることが遺伝子改変マウスを用いた実験から示され注目を集めている。 本研究の目的は、成長因子でありながら代謝機能を発揮するFGF21の作用機作の解析である。 FGF21の活性発現にはβKlothoの存在が必要であることから、まず内因性βKlothoの発現部位の検定を行い、肝臓、小腸、皮膚、膵臓でβKlothoタンパクの発現を確認した。一方、FGF21はβKlotho依存的にFGF受容体を介して細胞内に情報を伝達する。FGF21が増殖ならぬ代謝に関わる機能を発揮するのは、受容体と複合体を形成するβKlotho依存的な因子があるからと想定した。βKlotho、更には類縁分子であるαKlothoなどの各種安定発現細胞株を樹立し、His標識を利用し沈降実験を行った。その結果、それぞれに共通、または特異的な分子の共沈を認めた。質量分析による解析・同定を進める傍ら、生化学的解析を行ったところ、糖修飾を受けていることが判った。この事実は、共沈してきた分子が膜タンパクであること、ひいてはKlothoが持つ糖認識配列が結合に寄与している可能性を示唆している。 今回の知見はFGF21の情報伝達制御の観点から重要であると思われるが、目的であるFGF21依存的な代謝機構の究明には分子の同定をはじめ、実際に代謝が進行する細胞質にどう影響を及ばすのか課題は尽きない。
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Research Products
(3 results)