2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590345
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
松下 暢子 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30333222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 茂 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60252003)
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Keywords | DNA損傷修復 / 染色体 / ファンコニ貧血 / チェックポイント |
Research Abstract |
DNA損傷後において修復蛋白は集積し、おそらくDNAを含んだ超複合体を形成しフォーカスをつくり修復反応を行うが、その後の修復蛋白の不活性化が行われたのちに認められるフォーカスの消退を制御するメカニズムは細胞の生死に重要であると考えられる。本研究の目的はこれらのメカニズムを明らかにすることである。そのため修復蛋白質であるFANCD2を可視化するために作製したGFP-FANCD2発現細胞株を用い、これにsiRNA libraryを導入することによってフォーカスの形成と消退を制御する遺伝子の検索を行っている。 現在までのところ、遺伝子の発現をsiRNAによって抑制すると、DNA損傷後においてFANCD2はフォーカスを形成するが、その後のフォーカスの解離が認められない複数の遺伝子をすでに同定している。さらにこれらの遺伝子の発現を抑制すると、MMCやシスプラチンなどのDNA架橋剤に対して強い感受性が認められることを明らかにしている。また核異型が著明で、巨核・多核の細胞の割合の増加も認められた。さらに今後は、これらの遺伝子のさらなる機能解析を行うことによって、その遺伝子産物がファンコニ貧血蛋白群とともに、どのようにDNA損傷修復反応を制御しているのか、あるいはこれらの遺伝子産物がどのようにチェックポイントリカバリーに機能するのかを解明することを目指す。さらに、それらの結果よりファンコニ貧血における貧血症状や発癌の発症のメカニズムの解明の手がかりを得ることを目指す。
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