2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の足場非依存性増殖に関与する新規シグナル分子CDCP1の機能解析
Project/Area Number |
21590350
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
上北 尚正 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 細胞増殖因子研究部, 主任研究官 (50373402)
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Keywords | CDCP1 / 足場非依存性増殖 / 細胞運動能 / がんの浸潤 / MMP / 細胞間接着 |
Research Abstract |
CDCP1のドメイン機能解析に関して、CDCP1の細胞外ドメイン欠失変異体を用いた研究結果から、CDCP1のCUBドメインが細胞間接着に関与する事が明らかとなった。CDCP1にはCUBドメインが3つ存在する事、糖鎖修飾がある事、さらに細胞外ドメインが生理的に切断される事が分かつているので、今後はそれらを考慮して、さらに機能領域を狭めていく予定である。細胞内ドメインの解析は、精製マルトース結合タンパク質融合CDCP1及び、GST融合CDCP1ドメインタンパク質を用いた研究から、細胞内ドメイン同士の結合を確認する事が出来たが、CDCP1を発現しない細胞株にFlag-tag付きの細胞内ドメイン欠失変異体とHA-tag付きのCDCP1 wild-typeを強発現させ免疫沈降をおこなった結果、細胞内ドメイン欠失変異体においても結合が確認された。これらの結果から、細胞外ドメインによる結合も考えられ、複合体形成に関しては様々な細胞株やCDCP1ドメイン変異体を用いて研究するなど、さらなる精査をする必要性があると考えている。 CDCP1結合タンパク質に関しては、CDCP1抗体による免疫沈降と銀染色法により、結合タンパクと思われる250,110,40,28kDa付近のバンドが確認されたが、精製法の条件が確立しておらず、継続して精製法の確立に従事し、その後、大量精製、質量分析器等での解析及び、同定をおこなう。 がん細胞の運動能・浸潤能におけるCDCP1の機能解析では、CDCP1が生命予後因子であること、またCDCPIが運動能・浸潤能の亢進に関わり、さらに細胞外基質分解酵素MMPの分泌を制御し、浸潤能に寄与することを明らかにし、国際学術雑誌に報告した。現在は、浸潤のどの様な部位でCDCP1が機能しているかを継続して研究している。
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Research Products
(4 results)