2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590354
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
福井 由宇子 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 老化制御研究部, 室長 (50342639)
|
Keywords | クロマチン / 老化 / ゲノム / 疾患 |
Research Abstract |
核内構造とクロマチンの相互作用は、細胞機能,個体維持に不可欠である。本研究課題は、核内膜構造維持に関わるラミンおよび細胞の転写状態の維持に関わるクロマチンタンパクであるポリコームに焦点をあてた解析により、核構造変換を介した新たな核構造制御の分子機構の解明を目指す。これまでCbx2/M33は、発生過程において性分化、生殖腺、副腎、脾臓形成、体軸前後のアイデンティティーの決定、血球、リンパ組織分化等重要な発生過程に不可欠な因子である事が示されて来た。本課題では、Cbx2/M33本の出生後の組織維持機能を明らかにするため、主に以下の解析を行った。 Cbx2/M33KOの生存率の検定:129系統とC57BL6系統の混合した遺伝的背景では、多くのCbx2/M33KOが出生後生存した。そのうち、約8割の個体が離乳期前に死亡した。これらのマウスは脊柱の湾曲、歩行失調を示す早期老化症様の外見であった。 離乳期前に死亡するCbx2/M33KOにおける組織解析:早期老化症様のCbx2/M33KOは皮下脂肪の減少、皮下筋層の減少、脛骨成長板の早期閉鎖傾向、脛骨骨密度の顕著な低下が認められた。 Cbx2/M33ノックアウトマウス初代胎児繊維芽細細胞(MEF)におけるゲノム安定性の解析:Cbx2/M33KO MEFにおけるゲノムダメージについて、抗体を用いた細胞免疫組織学的解析により検討した、DNA両鎖断列部位に集積する53BP-1の抗体を用いた分子細胞生物学的解析によりCbx2/M33ノックアウトマウスMEFにおいて、DNA断列が亢進を認めたことから、Cbx2/M33たよるゲノム保護機構が示唆された。
|