2011 Fiscal Year Annual Research Report
コピー数異常を示す自閉症関連遺伝子CNTN4の変異マウスによる機能解析
Project/Area Number |
21590359
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 明子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (30253454)
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Keywords | ゲノム医科学 |
Research Abstract |
コンタクチン4(Cntn4)は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞接着分子であり軸索伸長やシナプス形成に関与しているものと考えられている。自閉症スペクトラム障害症例ではCntn4遺伝子(CNTN4)のコピー数多型・転座・欠失などの構造異常が報告されている。また、最近になって神経性拒食症とCNTNV4との関連も報告されており、この遺伝子の何らかの発現量異常が高次脳機能に影響を及ぼす可能性が考えられた。そこで野生型および変異型マウスの大脳皮質や嗅球からRNAを調整しマイクロアレイにより網羅的遺伝子発現解析を行った。大脳皮質において2群間で統計的に有意な変動が認められたプローブ(P<0.05)のうち1.5倍以上発現変化があるプローブは85個、1.3倍以上の発現変化のあるプローブは223個見出された。そのうちのいくつかについてマウスの頭数を増やしRT-PCRによる発現定量を行った結果ある程度再現性の有る結果が得られた。そこでジーンオントロジー解析を行ったところ、転写に関わる遺伝子群が、野生型マウスに比較して変異型マウスで発現が上昇を示す遺伝子に特異的に集積している事がわかった。一方、嗅球では細胞接着、ストレス応答、摂食行動などに関わる遺伝子群が野生型マウスに比較して変異型マウスにおいて有意な発現低下を示す遺伝子に特異的に集積していた。さらに自閉症と一部のパスウェイを共有している可能性が示されている統合失調症の関連遺伝子Grm3変異マウスを使って同様な網羅的遺伝子発現解析実験を行い比較とした。
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[Journal Article] Partial SPAST and DPY30 deletions in a Japanese spastic paraplegia type 4 family2011
Author(s)
Miura S, Shibata H, Kida H, Noda K, Toyama T, Iwasaki N, Iwaki A, Ayabe M, Aizawa H, Taniwaki T, Fukumaki Y
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Journal Title
Neurogenetics
Volume: 12
Pages: 25-31
Peer Reviewed
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