2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン抵抗性前立腺癌の抵抗性獲得に至る遺伝子発現産物の解析と診断治療への応用
Project/Area Number |
21590372
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
降幡 睦夫 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (10209158)
|
Keywords | ホルモン非依存性前立腺癌 / 遺伝子発現異常 / マイクロアレイ解析 / RAML / KURO3 |
Research Abstract |
レーザーマイクロビームマイクロディセクション法にて、ヒト前立腺癌、特にホルモン非依存性前立腺癌の各症例組織切片の腫瘍部より目的とする細胞を採取し、cDNAマイクロアレイ解析法を応用することによりホルモン非依存性前立腺癌で特異的に発現している癌関連遺伝子の道程を試みた。cDNAマイクロアレイ解析に関しては、National center for Biotechnology InformationのUniGeneデータベースを基に選択された23,040種のcDNAを有するcDNAチップを使用し、Imaging Research社のArray Visionソフトウエアを用いて解析を行った。その結果ホルモン非依存性前立腺癌における新規癌関連遺伝子産物としてRAM及びKURO3を同定し、その連遺伝子産物を抗原として抗体を作製した。作製した抗体を用いて免疫組織化学的に前立腺癌症例を検討したところ、その発現は、正常前立腺では減弱しているが、癌組織では、症例により程度の差がみとめられるものの発現がみられ、特にホルモン非依存性前立腺癌症例、およびホルモン依存性前立腺癌においてはGleason scoreが高い症例に高発現を示す結果となったが、Gleason scoreが低い奨励との間には有意差は認め得なかった。前癌病変としてのPINについての発現に関しては、ホルモン非依存性前立腺癌症例におけるPIN病変自体の同定が困難であり、今後の課題となった。 今後はホルモン依存性の有無の鑑別診断に応用し、その後の外科療法、ホルモン療法、化学療法もしくは放射線療法の選択や、再燃癌治療方針決定に利用が可能か検討する予定で、さらにホルモン非依存性前立腺癌症例における新規治療法としての分子標的治療の可能性もあわせて検討する。
|