2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における分子標的抗腫瘍薬チロシンキナーゼ抑制剤の耐性獲得機序多様性の解明
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21590384
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
蒋 世旭 北里大学, 医学部, 講師 (70276153)
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Keywords | 肺癌 / EGFR / MET / 分子標的抗腫瘍薬 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
1.活性化EGFR変異陽性かつTKI耐性を獲得した症例の分析 (1)平成23年度、活性化EGFR変異陽性かつTKI耐性を獲得した新たな1症例を収集した。TKI投与前生検材料からlaser microdissectionにて採取した腫瘍細胞の微小clusterを分析したところ、野生型EGFRを持つ腫瘍細胞も検出された。 (2)剖検で得られた3カ所のTKI治療後再発・転移性腫瘍を分析したところ、1病変からEGFRの二次性T790M変異が確認された。 (3)FISH法による検索で、3カ所のTKI治療後再発・転移性腫瘍は何れにもMet増幅を認めなかった。 2。EGFR変異の特異的抗体を用いた免疫組織化学検討 平成21,22年度の研究でdirect sequencingにてEGFR遺伝子変異を解析した134症例の肺癌を対象に、EGFR exon 19のdelE746-A750に特異性のある6B6抗体とexon21のL858R変異に特異性のある43B2抗体の免疫染色を行った。6B6抗体の免疫染色では、direct sequencing法にて確認した11例のE746-A750症例のみが陽性であった。Direct sequencingにて確定した18例のL858R症例は全て43B2免疫染色陽性であったが、direct sequencingにて変異が検出されなかった4症例にも部分的な陽性染色像を認めた。何れの抗体も、特に6B6抗体は相応のEGFR変異に対する特異性と感度が極めて高かったため、TKI投与症例のスクリーニングに有用であると考えられた。また、7/11の6B6陽性症例と22/22の43B2陽性症例においての発色はheterogeneousであり、明らかな陽性部分を認める一方、弱陽性や陰性の部分も混在しており、肺癌におけるEGFR遺伝子変異のヘテロジェネイティが示唆された。
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Research Products
(5 results)