2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞の危険因子となる心筋架橋の特定と冠状動脈責任病変の病理組織学的解析
Project/Area Number |
21590388
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石川 由起雄 Toho University, 医学部, 准教授 (30276894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 准教授 (60202511)
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Keywords | 心筋架橋 / 心筋梗塞 / 左冠状動脈前下行枝 / 動脈硬化症 / 画像解析 |
Research Abstract |
平成21年度は、これまでに蒐集した心筋梗塞症例と100例の非梗塞心の左冠状動脈前下行枝(LAD)について、内膜病変の種類、その性状(石灰化の有無、病変内出血の有無、肩部マクロファージの集簇の有無)を鏡検にて判定した。全例を検討しきれていないので、まだ、統計学的検討は行っていない。 免疫染色は、切片の出来上がっている症例から順次、施行した。すなわち、抗SMA抗体、抗マクロファージ抗体(CD68)、抗アポリポ蛋白B抗体にて免疫染色をおこない、内膜における陽性程度を判定した。これにより、内膜病変内の平滑筋細胞の分布、マクロファージの分布、LDLコレステロールの局在が判明するが、これまでも大動脈組織を使用して同様の検討を行ってきたが、病変種が同じ場合にはほぼ同様の所見が得られた。現在のところ、心筋架橋の有無によるLAD近位の病変内のこれら分布に差異がみられていない。今後は、さらに施行症例を追加して、統計学的解析を試みる。 また、新たに蒐集した梗塞心のLADについて、大動脈分岐から5mm間隔で切り出し、それぞれの組織にHE染色、EVG染色を施した。現在、梗塞症例のLADは134例となっている。全例の心筋架橋の有無は、光顕観察にて確認し、さらに、内膜面積/中膜面積の比率は画像解析にて測定終了している。平成21年度に蒐集した心筋架橋のある梗塞例LADを観察したが、いずれもこれまでの傾向と同様に、架橋下のLAD内膜には高度な病変は形成されず、その近位部内膜には、複合病変などの高度な隆起性病変が形成されていた。心筋架橋自体の厚さおよび長さは、蒐集時に計測しているが、目標の150例に達してから、統計学的検討を行う。
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Research Products
(3 results)