2011 Fiscal Year Annual Research Report
胃がんの臨床病理学的諸性状に関連したマイクロRNAの探索とメチル化異常の解析
Project/Area Number |
21590396
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
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Keywords | 胃がん / メチル化 / マイクロRNA / CpGアイランド / プロモーター領域 |
Research Abstract |
様々な腫瘍において、機能性小分子RNAの1つであるマイクロRNA(以下、miRNA)の発現異常が検出されている。本研究では胃がんの臨床病理学的諸性状と関わるmiRNAを探索し、それらの発現異常についてエピジェネティックな面から解明することを目的とした。胃がん細胞株における脱メチル化剤処理後に発現変化したmiRNAのマイクロアレイ解析により、miR-181cのメチル化が胃がんで高頻度に起こっていることを明らかにした。更に、メチル化によって発現低下している複数のmiRNAを同定することができ、これらmiRNAを用いたin vitroの実験の結果、一部の標的遺伝子は共通であった。この結果より、メチル化によって発現低下している複数のmiRNAは相乗または相加的に共通の遺伝子発現を制御している可能性が推測された。現在、複数の臨床検体を用いてそれらのメチル化を解析中である。 胃がんの組織型は分化型と未分化型の2つに大別されており、分化型胃がんの発生には腸上皮化生が関与している。CDX2転写因子は腸上皮化生や分化型胃がんで強く発現していることが報告されているが、分化型胃がんの中にはCDX2発現が低下している症例がある。我々は以前、CDX2発現にはメチル化異常が関与していることが報告した。また我々の検討では一部の胃がんではCDX2のメチル化陰性であるが、タンパク質発現も低下している症例が存在していることが明らかになり,それら胃がんではmiR-9の発現が強いことが明らかになった。また、miR-9の発現異常はリンパ節転移にも関連している可能性が示唆された。一方、miR-9はメチル化によって発現低下している胃がん症例も存在していた。今後、miR-9発現が強い胃がんと弱い胃がんにおける分子レベルの解析が必要と考えられる。
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Research Products
(15 results)