2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵腫瘍の癌化および浸潤様式:分子標的治療へのアプローチをめざして
Project/Area Number |
21590403
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
清水 道生 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (60226256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 禎彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20206220)
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Keywords | low-grade PanIN / gastric type IPMN / ITPN / intestinal type IPMN / pancreatic adenocarcinoma / adenocarcinoma derived from IPMN / mucinous carcinoma / MUC5AC |
Research Abstract |
PanIN病変病変ではPanIN-1,2に相当するいわゆるlow-grade PanINがgastric type IPMNの周囲に存在している症例が多く,intestinal type IPMNではその傾向が少なかった.さらに粘液形質に関してはlow-grade PanINとgastric type IPMNではNMUC1(-), MUC2(-), MUC5AC(+), MUC6(+/-)で,両者はほぼ同じと考えられた.なお,MUCに関しては症例により若干のばらつきがみられた.細胞増殖に関しても有意な差は認められなかった.血管新生に関しては評価が困難で,一定の傾向は得られなかった.また,今回の検討中にITPN (intraductal tubulopapillary neoplasm)と判断できる病変を認めた. 一方,IPMN由来癌に関しては,報告例をみるとその定義が一定しておらず,典型例はintestinal type IPMNからのmucinous carcinomaといえるが,問題となるあるいは鑑別すべき症例として以下の傾向が認められた.1) pancreatic adenocarcinomaでductがcystic changeを示したもの,2) pancreatic adenocarcinomaで,その周囲に拡張したPanIN病変が存在するもの,3) pancreatic adenocarcinomaとその周囲に[隣接するのではなく]IPMNが存在する場合などが,代表的なもので,明らかなIPMNから連続してadenocarciomaが認められる症例に限定する必要があると考えられた.またIPMN由来癌はintestinal typeからのものが圧倒的に多く,その多くは粘液癌であった.Gastric typeからも浸潤癌は発生するが,その一部はpancreatobiliary typeを経由していると考えられた.
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Research Products
(5 results)