2011 Fiscal Year Annual Research Report
治療の個別化を視野にいれた、卵巣腫瘍における低酸素関連因子の解析
Project/Area Number |
21590404
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
安田 政実 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50242508)
|
Keywords | 医歯薬学 / 基礎医学 / 人体病理学 / 分子病理 |
Research Abstract |
平成23年度においては、平成21~22年度に得られた『他の上皮性卵巣癌に比して明細胞腺癌でmTOR-HIF経路が有意に亢進していた』に基づき、明細胞腺癌培養株を用いてmTOR阻害剤(Rapamycin,エベルリムス)による本経路の阻害がもたらす影響について様々な分子生物学的手法を用いて解析した。かつ、明細胞腺癌でリン酸化されたmTOR(phosphorylated-mTOR)が優勢に発現していることが明らかにされ、mTOR阻害剤の臨床応用に対してp-mTORがbiomarker-治療選択のための指標-になることが推察された。ラバマイシンの抗腫瘍効果を解析するために行った動物モデル実験では、直接的な腫瘍殺効果(局所への注入)と間接的な腫瘍抑制効果(経口投与)を証明した。また、上皮性腫瘍に限らず、性索間質性腫瘍の代表である顆粒膜細胞腫でも、ラバマイシンの抗腫瘍効果が期待できることにも言及できた。具体的には主として以下のような解析を行った。 明細胞腺癌培養株をヌードマウス右背部皮下および腹腔に2x10^6個を移植し、腫瘍体積が約100mm^3に到達した時点で、各群の腫瘍体積の母平均に差が生じないように各群に割り付け、EverolimusおよびEverolimusと各薬剤の組み合わせで投与を行った。投与開始より週2回の体重測定および腫瘍体積を測定した。腫瘍体積(V)は、腫瘍の長径(L)、短径(W)、厚み(H)より算出し、Everolimusおよび各薬剤の投与量については他の癌種での最大投与量(MTD)と抗腫瘍効果を参考にして投与した。抗腫瘍効果の評価には各投与群において実験期間中死亡例を認めず、平均体重を20%以上低下させないMTDを規定した。MTD以下の用量について抗腫瘍効果を判定し、統計学的解析を加えた。投与試験終了後には、頭部を含む全身について解剖し、摘出組織および血清を用いて各薬剤の効果判定を病理学的、生化学的解析を行って、治療レジメンの確立に向けて指針を勘案した。
|
Research Products
(24 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 子宮体癌の病理2011
Author(s)
安田政実
Organizer
第62回細胞検査士教育セミナー
Place of Presentation
大阪サンケイホールブリーゼ(大阪)(招待講演)
Year and Date
2011-09-04
-
-
-
-
-
-
-