2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝分化・肝再生におけるdickkopf3の作用機序の解明
Project/Area Number |
21590414
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加野 准子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60334059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 雅之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
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Keywords | 肝臓 / 細胞 / シグナル伝達 / 発生 / 分化 |
Research Abstract |
dickkopf3(Dkk3)は本研究代表者らによって肝分化・肝再生に関わる分子として新規に見出された。本研究ではDkk3の機能を解明することを目的として、Dkk3の受容体やシグナル分子の探索、またDkk3ノックアウトマウスを用いた肝再生への影響の解析を行う。平成22年度の成果は以下のとおりである。 1.Dkk3受容体の同定と下流シグナルの解析 (1)Dkk3発現ヒト非腫瘍肝細胞株tPH5CHとリコミナントヒトDkk3蛋白を用いたCo-immunoprecipitation及びLC-MS/MSの解析により、数種の相互作用膜蛋白の候補を得た。再試験を行い確認する。 (2)tPH5CH細胞などDkk3発現細胞においてDkk3が抗アポトーシス機能を持つことが示唆されている。この結果に着目し、生存に関連するシグナル経路の分子Erk1/2、Akt、STAT3について、Dkk3発現抑制に伴う活性化(リン酸化)の変化をウェスタンブロットにて検討した。その結果これらのリン酸化が抑制されることが明らかになった。今後(1)の結果との関連についてさらに詳細な検討を行う。 以上の成果からDkk3の受容体と関連シグナル経路に関し具体的な分子を特定できる可能性が得られた。 2.Dkk3ノックアウトマウスを用いた肝再生における解析 (1)野生型(コントロール)、ホモ型を繁殖し、実験に用いる個体数の確保を行っている。 (2)四塩化炭素投与肝障害モデルを作製するために、四塩化炭素投与量の検討と予備的試験を行っている。今後両群の肝再生における差異を機能的、組織学的に評価する。 (3)70%部分肝切除モデルを作製するために、部分肝切除の手技の検討と習得を試みた。 以上の活動により、ノックアウトマウスを用いた研究が実現できる見込みがついた。
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Research Products
(2 results)