2009 Fiscal Year Annual Research Report
レクチン分子の発現を指標としたマクロファージサブセットの生体内動態
Project/Area Number |
21590417
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
|
Keywords | レクチン / マクロファージ / 樹状細胞 / 単球 |
Research Abstract |
先に、免疫系細胞に発現するC型レクチンSIGNRファミリーの中で、SIGNR3がLy6C^<int-low>単球(Mo)および一部の樹状細胞(DCs)/マクロファージ(Mψ)に特異的に発現し、不明な点の多いMoの生体内動態を解析するためのマーカーとして有用であることを示した。今年度は、さらに詳細なMoの動態解析を行った。 始めに、SIGNR3ノックアウトマウスの血液より精製したMoにおいても抗SIGNR3抗体の反応性が消失することをWestern blottingにより確認した。また、先に血液内Mo(CD115^+)のLy6Cの発現低下に伴ってSIGNR3が発現することをFlowcytometryにより示したが、CD115^+Ly6C^<high>およびCD115+Ly6C^<low>を精製し後者にのみSIGNR3が発現することをWestern blottingで確認した。また、体表リンパ節のPNAd^+高内皮細胞周囲および濾胞間領域にSIGNR3^+細胞が見られたが、腸間リンパ節の濾胞間領域には見られなかったことから、前者の濾胞間領域SIGNR3^+細胞が皮膚由来であることが示唆された。リンパ節に加え脾臓に於いてもCD11b^+CD11^<int-high>細胞の多くにSIGNR3の発現が見られたが、肺に於いてはCD11b^+CD11c^<int>細胞に発現が確認されMψ(CD11b^+CD11c^<high>)に於いては微弱であった。骨髄より精製したLy6C^<int-low>含まないLy6C^<high>Moを蛍光標識し生体に移入したところ、血液中では時間と共にLy6Cの発現低下と共にSIGNR3の発現上昇が見られた。また、脾臓へのSIGNR3^+細胞の流入も確認された。以上の結果より、生体におけるMoの動態の一端が明らかとなった。
|