2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄単球細胞の分化過程における破骨細胞分化因子受容体(RANK)の発現制御
Project/Area Number |
21590419
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北澤 理子 Kobe University, 医学研究科, 特命講師 (00273780)
|
Keywords | 破骨細胞 / RANKL / RANK / 遺伝子プロモータ / 造血細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究計画は、骨髄単核細胞から破骨細胞への分化のメカニズムを解明する目的で、破骨細胞分化因子の受容体RANKの発現制御について、検討するものである。 私どもは、マウスRANK遺伝子プロモータ領域6kbをクローニングし、転写開始部位から約1kbの範囲に見い出した主要な転写因子結合配列の解析を行った。造血細胞の分化に関与する転写因子PU.1,MITFの結合配列を介して、RANK発現が正に制御されることを示した。破骨細胞の最終分化に必須のRANKL-RANKのシグナルの下流では、カルシウムシグナルを介して活性化される転写因子NFATc1が、TRACP、カテプシンKなどの破骨細胞形質遺伝子を誘導する。骨髄単核細胞や、前破骨細胞RAW cellでは、RANKL投与でRANK発現が促進するが、カルシニューリン阻害剤で相殺された。RAW細胞へのNFATc1強制発現は、RANK mRNA発現を促進し、siRNAを用いてNFATc1を阻害することにより、RANKLによるRANK誘導作用は減弱した。これらの結果から、RANK自体も、TRACPと同様に、NFATc1を介する制御を受けることが示唆された。RANK遺伝子プロモータ領装にも、3カ所のNFAT結合配列(-350,-550,-720)が存在するので、これらの部位について、ゲルシフトアッセイによる蛋白DNA結合を解析すると共に、これらの部位に変異を導入したプロモータコンストラクトの活性を検討した。3カ所のうち、(-350)が特異的な蛋白DNA結合を示し、同部の変異がNFATc1による転写促進効果を相殺することから、マウスRANK遺伝子プロモータの(-350)が機能的なNFAT結合部位であることが示唆された。 これらの成果は内外の学会で報告すると共に、論文投稿準備中である。
|
Research Products
(4 results)