2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージングを用いた癌細胞由来ADAM28の生体内機能解析
Project/Area Number |
21590421
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
望月 早月 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80365428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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Keywords | ADAM / MMP / CTGF / 血管新生 / 乳癌 |
Research Abstract |
ADAM(a disintegrin and metalloproteinase)は、MMP(matrix metalloproteinase)近縁遺伝子ファミリーであり、MMPと同様に癌細胞増殖や進展への関与が注目されている。我々は、ADAM28の癌細胞増殖・浸潤・転移関連の分子をクローニングするために、yeast two-hybrid system法を用いてヒト肺cDNAライブラリーをスクリーニングし、ADAM28結合分子としてconnective tissue growth factor(CTGF)を見出した。Binding assayによりADAM28はシステインリッチドメインにあるhypervariable reagionを介してCTGFと結合することが明らかとなった。ADAM28は分子量38kDaのCTGFを濃度・時間依存的に17kDaと18kDaのフラグメントに分解した。N末端アミノ酸シークエンス解析の結果により、CTGFのhinge領域上のAla^<181>-Tyr^<182>間とAsp^<191>-Pro^<192>間を切断しており、MMPsによる切断部位とは異なっていた。CTGFはCCNファミリーに属する6種類からなるタンパク質であるが、ADAM28は(CCN1/CYR61,CCN2/CTGF,CCN3/NOV,CCN4/WISP-1,CCN5/WISP-2,CCN6/WISP-3)これらすべてのタンパク質を分解した。また、ADAM28は、vascular endothelial growth factor_<165>(VEGF_<165>)/CTGF複合体に対してCTGFを選択的に分解し、複合体よりVEGF_<165>を遊離することを証明した。VEGF_<165>は、血管内皮細胞においてVEGFR2(KDR)やextracellular regulated kinase1/2(ERK1/2)のリン酸化を介して細胞内シグナルを伝達するが、VEGF_<165>/CTGF複合体ではブロックされていたシグナルは、本複合体をADAM28処理すると回復することが明らかとなった。ヒト乳癌組織と非癌部組織におけるRT-PCRと免疫組織化学染色での結果、ADAM28、CTGF、VEGF_<165>の発現は乳癌組織で共存し高発現していた。これらの結果から、ADAM28はVEGF_<165>/CTGF複合体よりVEGF_<165>を遊離し、乳癌組織におけるVEGF_<165>誘導性の血管新生の促進に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)