2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル癌抗原Aurora-AキナーゼとFAKを標的とした免疫治療の開発
Project/Area Number |
21590424
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小林 博也 Asahikawa Medical College, 医学部, 講師 (90280867)
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Keywords | FAK / HLA / 腫瘍免疫 / ペプチド / ヘルパーT細胞 / 免疫治療 |
Research Abstract |
幅広い癌腫に高発現しているFocal adhesion kinase(FAK)の全アミノ酸配列を基に、個人間のHLA class II抗原に制約を受けずに多数のHLA class II抗原分子(HLA-DR1,DR4,DR7,DR9)に結合可能なことが予測された15残基のペプチドを2種類合成した。健常人末梢血から分離したCD4陽性T細胞と樹状細胞をペプチドの存在下で共培養し、その後複数回の刺激を行ってFAKペプチド特異的ペルパーT細胞クローンを4名の健常成人から樹立した。詳細なエピトープ解析からFAK143-157ペプチドはHLA-DR4,DR9,DR53拘束性に、FAK1000-1014ペプチドはHLA-DR4,DR53拘束性にヘルパーT細胞を活性化させ、IFN-γあるいはGM-CSFなどのTH1サイトカインを分泌させた。またこれらのペプチドは複数のHLA-DR分子に結合してヘルパーT細胞を誘導したことから、promiscuousエピトープペプチドであることが示された。樹立されたヘルパーT細胞クローンは、いずれもFAKを高発現する前立腺癌細胞株、メラノーマ細胞株や大腸癌細胞株、T細胞リンパ腫株をHLA-DR分子を介して認識しサイトカインを分泌した。更に、自己の樹状細胞に、FAKを高発現している腫瘍細胞の可溶化物を取り込ませ、ペプチド特異的T細胞クローンと共培養すると、T細胞クローンはこれを認識してサイトカインを分泌した。これらの結果は、今回明らかにされたFAKエピトープペプチドは、生体内で自然な形態で発生しうるnaturally processed antigenic peptideであり、これらの分子を標的とする癌ペプチドワクチンの設計に寄与するものと考えられた。
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Research Products
(3 results)