2011 Fiscal Year Annual Research Report
がんにおけるDNA高度メチル化を指標としたバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
21590425
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福重 真一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90192723)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 転写抑制 / メチルCpG結合蛋白 / エピジェネティクス / MeTA / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究では申請者が開発したMeTA(Methyl-CpG targeted transcriptional activation)法と遺伝子発現マイクロアレイの組み合わせ(MeTA-array)によってがん細胞において高度にメチル化したCpGアイランド、およびその制御下にある遺伝子を見つけ出し、がんへの関与や診断・治療のバイオマーカーとしての可能性を検討することを目的とした。 MeTA-arrayを用い、膵がんにおける高メチル化遺伝子を探索するため、12種の膵がん細胞株についてMeTA-arrayを実施した。半定量RT-PCRによりマイクロアレイデータを検証した結果、正常膵管上皮細胞株HPDEで発現が高く、12種の膵がん細胞株で共通に発現低下している7遺伝子(NEFL、NEFM、NEFH、IRX4、TMEM204、LHX6、NPTX2)を同定した。このうち4遺伝子はMeTA-arrayによってはじめて同定された膵がん高メチル化候補遺伝子であった。次に、NEFL、NEFM、NEFH、IRX4、TMEM204の5遺伝子についてHPDEと21種の膵がん細胞株を用いプロモーター領域のメチル化の有無、程度をメチル化特異的PCR(MSP)法で解析した。HPDEではいずれの遺伝子も非メチル化であったが、膵がん細胞株ではNEFL、NEFM、NEFH、IRX4で100%(21/21)、TMEM204で95%(20/21)がメチル化していることが明らかとなった。さらに、手術切除標本から、腫瘍部と非腫瘍部のゲノムDNAを採取し、NEFM、IRX4のプロモーター領域のメチル化をMSP法で解析した結果、それぞれ82%(18/22)、68%(15/22)が膵がん特異的にメチル化していた。これらの結果は、MeTA-arrayにより新規のがん特異的メチル化遺伝子の単離ができることを示している。
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Research Products
(6 results)