2011 Fiscal Year Annual Research Report
SLEモデルにおけるB1細胞遊走異常による免疫寛容破綻とその是正
Project/Area Number |
21590430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 昌 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00159691)
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Keywords | SLE / ケモカイン / B1細胞 |
Research Abstract |
研究代表者は、全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus,SLE)の自然発症動物モデルであるBWF1マウスを用いて、B細胞ケモカイン(BLC/CXCL13)異所性高発現の病理学的意義を明らかにし、抗BLC中和抗体の治療効果を明らかにしてきたが、本年度も引き続き、このモノクローナル中和抗体による治療効果の有無とその機序に関する検討を行った。22年度研究期間において、抗BLC中和抗体投与が生存曲線の改善をもたらすことが明らかとなったが、さらに異なる投与方法により抗BLC中和抗体を4ヶ月間投与した群でも、生存曲線の改善傾向が認められた。抗体投与マウスでは末梢血中のB1細胞が増加が認められ、遊走阻止効果があること、濾胞性ヘルパーT細胞(CXCR5+CD4T細胞)のレベルは末梢血および脾臓において有意な変化は認められないこと、血中IgGおよびIgG抗DNA抗体のレベルにも有意な影響は認められず、抗BLC中和抗体の治療効果はIgG自己抗体産生の制御によるものではないことが昨年度研究で示唆されたが、さらに23年度研究では、抗BLC中和抗体の効果がIL-17産生抑制によるものである可能性が示唆された。 SLEに対する生物学的製剤として期待された抗CD20抗体や抗BAFF抗体などが、臨床試験から撤退する状況のなかで、本研究により抗BLC中和抗体の有用性が示唆されたことにより、今後の臨床応用に向けた研究が期待される。この点を考慮し、本年度の研究成果は未発表としている。
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