2011 Fiscal Year Annual Research Report
p63による扁平上皮癌細胞の活性化経路を決定するリン酸化プロテオーム解析
Project/Area Number |
21590434
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
加藤 伊陽子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20333297)
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Keywords | p63 / PP2A / TCF-4 / Wnt |
Research Abstract |
下咽頭癌由来FaDu細胞でのHuman Phospho-MAPKアレイ解析などの結果を受け、1.他の細胞系でも同じことが起こるか、2.関連因子シグナル伝達系活性化、3.p63との複合体形成とリン酸化、4.遺伝子発現プロファイルなどを解析した。 1.p63を発現する扁平上皮癌細胞A431等でp63ノックダウンを行い、核内タンパク質のリン酸化について解析したところ、FaDu細胞でノックダウン2日目に検出されたGSK-3βのリン酸化の変化は検出されなかった。GSK-3βで制御されるβ-カテニンのリン酸化と核移行の変化も検出されなかった。 2.p63がWntシグナル伝達系の遺伝子発現に影響するかどうかにを調べるため、TCF-1/4結合配列をエンハンサーとするレポータ・アッセイを実施した。ΔNp63αアイソフォームによるTCF-4/βカテニン体存性の強い転写活性化が検出された。 3.(1)P63を発現するFaDu細胞でp63ノックダウン後、細胞質・核の分画を行い、脱リン酸化酵素PP2Aの免疫沈降を行い、PP2Aの活性測定と、タンパク質複合体形成およびリン酸化を解析した。その結果、核内でp63の一部はPP2Aと結合していたが、p63は酵素活性に影響しなかった。(2)HeLa細胞にΔNp63αと関連因子を導入してTCF-4で免疫沈降すると、β-カテニンとΔNp63αは共沈したが、PP2A、B56α、GSK-3βは共沈しなかった。 4.p63ノックダウン後に遺伝子発現プロファイル解析を行い、上記2,3を支持する結果が得られた。 以上の結果から、p63は核内でB56αおよびPP2Aと相互作用するが、GSK-3βのリン酸化を恒常的に制御するわけではなく、別反応としてTCF-4/βカテニンとの核内複合体形成によりWntシグナル伝達系を活性化することが強く示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Activation of the long terminal repeat of human endogenous retrovirus K by melanoma-specific transcription factor MITF-M2011
Author(s)
Katoh I, Mirova A, Kurata S, Murakami Y, Horikawa K, Nakakuki N, Sakai T, Hashimoto K, Maruyama A, Yonaga T, Fukunishi N, Moriishi K, Hirai H.
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Journal Title
Neoplasia
Volume: 13
Pages: 1081-1092
DOI
Peer Reviewed
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