2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺特異的遺伝子改変マウスを用いた肺上皮・肺癌幹細胞研究:スフェア形成法による解析
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21590440
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (70168392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 哲広 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (70359818)
宇高 直子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (90285106)
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Keywords | 肺上皮幹細胞 / スフェア形成 / EGFR変異 / Scal陽性細胞 / 器官培養 / Hesl欠損 / マウス |
Research Abstract |
(1)マウス成体および胎仔肺(胎齢18日)からの肺上皮スフェア形成の研究: a.CD45(-)CD31(-)sca-1(+)肺上皮細胞は、胎仔期18日まで殆ど見られず、生後出現する事がわかった。成体および胎仔由来のスフェアでも、Clara細胞,線毛上皮細胞、2型肺胞上皮細胞は見られ、スフェア内sca-1陽性細胞は、継代するとともに、由来に関係なく、同数になった。 b.Stat3阻害剤、Notch阻害剤などにより、スフェア形成は阻害された。また、stat3阻害により、Heslの発現が低下し、細胞増殖能が低下した。一方、線毛上皮は増加傾向を示すものの、Clara細胞の分化が阻害された。IL-6添加により、stat3のリン酸化は亢進し、Heslの発現の増加とともにClara細胞は増加した。Notch阻害剤の効果は検討中。 (2)tetO-mutant EGF receptor/CCSP-rtTAマウス(肺特異的mutant EGFRマウス)を用いての実験 a.Doxycycline(3g/L)添加飲水あるいはエサで、投与4週間でEGFR変異を誘導し、肺腫瘍の形成や肺胞上皮の増生所見を認めた。 b.In vitroでmutant EGFRマウス由来肺からスフェアを形成し、doxycyclineを投与すると、スフェア数は軽度増加する傾向を示した。Scal陽性細胞の増生は見られなかった。 (3)floxed Hesl/CCSP-rtTA/tetOCre(肺特異的Hesl欠損マウス)を用いての実験 a.Doxycycline(3g/L)4週飲水投与で、Heslヘテロ欠損マウスでは、軽度のHeslの低下を見たが、スフェア形成には野生型と差が見られなかった。ホモ欠損マウス肺で今後観察予定。
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Research Products
(2 results)