2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄球系抑制細胞の産生機構とインターロイキン17の関与の解明
Project/Area Number |
21590443
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稲葉 亨 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (60203204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 正和 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (60153087)
平位 秀世 京都大学, 医学研究科, 助教 (50315933)
|
Keywords | 骨髄球系細胞 / 癌転移 / インターロイキン17 |
Research Abstract |
近年、骨髄由来と考えられる骨髄球系の細胞が癌の転移や浸潤などの進展に関わっているという報告が相次いでいる。CD11b陽性Gr-1陽性のMyeloid Derived Suppressor Cells(MDSCs)もその一つであり、癌に伴い誘導されて宿主の免疫能を抑制すると考えられている。この細胞は癌の免疫監視回避機構のひとつとして最近注目されており、癌治療における新たな標的となる可能性がある。本研究はMDSCの骨髄での産生機構や産生誘導に関わる液性因子に明らかにすることを目的とする。マウス腫瘍細胞株B16またはEL4を皮下に接種した後に経時的に骨髄および脾細胞を採取し、フローサイトメトリーを用いて成熟MDSCへの分化段階の推移を検討したところ、約3週間の観察で骨髄での造血幹細胞および顆粒球・マクロファージ前駆細胞が増加する傾向が認められたが、その差はわずかであった。MDSCを誘導する条件の再検討や細胞をセルソーターで分離して免疫系を抑制する機能的な成熟過程についても検討する予定である。さらに骨髄球系造血を刺激するインターロイキン17(IL-17)に着目し、MDSCの誘導および機能に及ぼすIL-17の作用について検討している。IL-17には数種のファミリーが知られているが、その中でもIL-17AとI-17Fが骨髄球系の細胞の炎症部位への動員に関っていることが知られている。IL-17AノックアウトマウスおよびIL-17Fノックアウトマウスに腫瘍細胞を接種し腫瘍のサイズおよびMDSCの誘導について野生型と比較したが、三群間で有意な差は認められなかった。IL-17AおよびIL-17Fに機能的重複がある可能性もあり、腫瘍細胞株での過剰発現系を検討するために安定発現細胞株を作成中である。
|
Research Products
(1 results)