2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管間質線維化を促進または抑制する調節分子機構
Project/Area Number |
21590444
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
村垣 泰光 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (40190904)
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Keywords | 腎 / TGF-βシグナル / EMT / Trpsl / 線維化 / Smad3 |
Research Abstract |
片側尿管を結紮して(UUO)腎臓に尿細管間質線維化を起こすモデルを用いて実験を行った。線維化の程度を検索するためにI型コラーゲンの免疫染色を行うとTrps1欠損ヘテロマウス(HT)では野生型マウス(WT)に比較して、その量が増加していた。TGF-βシグナルの亢進の有無をリン酸化Smad3抗体で調べると、WTに比較してHTで陽性細胞の数が増加していた。HTマウスにおいて腎間質線維化の亢進するメカニズムを検索するため、TGF-βシグナルに関与する遺伝子の発現およびタンパク量を検索した。その結果、HTではSmad7のmRNAがUUOの時間と共に増加したが、タンパク量はそれとは逆に減少した。これはSmad7タンパクの分解系が亢進しているためではないかと考え、プロテオソームのユビキチンカイネースのSmarf1/2およびArkadiaのmRNAおよびタンパク量ともにHTではWTの約2倍に増加していた。また尿細管上皮を腎臓から単離し、培養系にTGF-βを添加して上皮・間葉移行(EMT)を検索した。培養系においてもUUO腎と同様にHTではWTと比較してa-SMAの発現は亢進し、E-cadの発現は減少した。またArkadiaの発現はHTではWTの約2倍亢進していた。これらのことよりTrps1はArkadiaの発現を調節することによりSmad7タンパク量を調節し、Samd3リン酸化をコントロールすることによりTGF-βシグナルに関与することが明らかになった。
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[Journal Article] Tolvaptan, a selective oral vasopressin V2 receptor antagonist, ameliorates podocyte injury in puromycin aminonucleoside nephrotic rats2009
Author(s)
Okada T, Sakaguchi T, Hatamura I, Saji F, Negi S, Otani H, Muragaki Y, Kawachi H, Shigematsu T.
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Journal Title
Clinical Experimental Nephrology 13
Pages: 438-446
Peer Reviewed
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