2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン感受性癌の増殖・進展に関わるマクロファージの役割
Project/Area Number |
21590450
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Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
桑田 健 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 医長 (00327321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 淳志 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 部長 (60183034)
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Keywords | 前立腺 / アンドロゲン / 核内受容体 |
Research Abstract |
前立腺癌に対する抗アンドロゲン療法は活性型アンドロゲンないしアンドロゲン受容体を標的とする分子標的治療であるが、その効果は一過性で最終的に治療抵抗性となる。ヒト前立腺癌組織を用いた免疫組織学的検討から、術前抗アンドロゲン療法施行症例においても前立腺癌細胞にはアンドロゲン受容体の核内移行とその標的遺伝子の発現が観察され、治療早期よりアンドロゲン受容体の再活性化が起こっていると考えられた。抗アンドロゲン抵抗性獲得機構の一つとして副腎由来アンドロゲンの存在が示唆されているが、その多くはDHEAやAdioneなどのアンドロゲン前駆体として存在しており、アンドロゲン受容体の活性化には精巣型アンドロゲンへの変換が必要である。副腎由来アンドロゲンから精巣型アンドロゲンへの変換に関わるHSD3BおよびAKR1C3の関与を免疫組織学的に検討したところ、未治療前立腺癌症例の40%でAKR1C3の発現を認めたが、発現は腫瘍の一部に限局的であった。一方、術前AAT施行症例では全例でびまん性の発現を認めた。これに加え、抗アンドロゲン療法施行症例の70%ではHSD3Bの発現が認められ、腫瘍組織内での副腎由来アンドロゲンが精巣型アンドロゲンへと変換される可能性が示唆された。in vitroにおいて、AKR1C3を発現させた前立腺癌細胞株とNCapではAdioneによるAR活性化が観察された。LNCapのマウス移植系等を用いた検討では、AKR1C3の恒常的発現が精巣除去マウスへのLNCapの生着と増殖を亢進させた。
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Research Products
(2 results)