2009 Fiscal Year Annual Research Report
シアル化糖鎖を介した癌の免疫制御メカニズムの解明と利用技術の開発
Project/Area Number |
21590454
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
池原 譲 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 糖鎖医工学研究センター, 研究チーム長 (10311440)
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Keywords | 免疫応答 / 糖鎖 / シアル酸 |
Research Abstract |
各種糖鎖で被覆したリポソームをマウスに投与する事によって惹起されるT細胞免疫応答を、LISPOT Assayによって測定し、糖鎖構造の違いによる応答の差を検討した。オリゴマンノース被覆リポソーム(OML)に封入した抗原(卵白アルブミンOVA)5μgに反応して「特異的にINFγを産生する細胞数」は、500μgのOVAを直接、腹腔内へ投与した場合に相応するものであった。次に、5μgのOVAをシアル酸(Sialyl-Lactose)で被覆したリポソーム(SLL)に封入して投与した場合は、500μgのOVAを直接、腹腔内へ投与した場合の半分以下であった。一方、抗原特異的にIL-10を産生するT細胞数を指標として検討すると、SLLに5μgのOVAを封入した投与実験では、500μgのOVAを直接投与する場合と同等のIL-10産生T細胞数の誘導が見られたが、OML投与はその25%程度であった。これらの結果は、OMLは封入抗原に特異的なIFNγ産生T細胞を効率良く誘導でき、SLLは封入抗原特異的なIL-10産生T細胞を効率良く誘導できる事を示している。 これらの結果をふまえて、抗原特異的に炎症性疾患が発症・憎悪する動物モデルに対して投与をすすめ、病態への影響を引き続き検討する。
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Research Products
(6 results)