2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄内骨髄移植による神経保護的微小環境の誘導と神経変性病態の制御
Project/Area Number |
21590458
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
島田 厚良 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 病理学部, 室長 (50311444)
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Keywords | 加齢 / 神経変性 / 興奮毒性 / サイトカイン / ミクログリア |
Research Abstract |
加齢とともに神経変性を発症するSAMP10マウスの3ヵ月齢個体に40mg/kgのカイニン酸(KA)を腹腔投与し、海馬に興奮毒性損傷を誘導した。KA投与3日後の海馬におけるサイトカイン遺伝子発現をDNAマイクロアレイおよび定量的リアルタイムRT-PCRを用いて網羅的に検討した。比較対照として、神経変性を発症しないSAMR1マウスの3ヵ月齢および15ヵ月齢個体を用いた。その結果、3ヵ月齢および15ヵ月齢のSAMR1マウスの海馬ではKA処理によって、Spp1(osteopontin),Cxcl10,Cc13(MIP-1α),Cc14(MIP-1β),Socs3(suppressor of cytokine signalling),Osmr(oncostatin M receptor),Cxcl6の遺伝子発現が4倍から20倍程度に亢進した。Osteopontinやoncostatinは組織の保護・修復に関与することが知られており、この実験条件の海馬組織は神経保護的なサイトカインプロフィールを示すことがわかった。これに対し、3ヵ月齢SAMP10マウスの海馬ではKA処理によって、これらのサイトカイン遺伝子発現は上昇しなかった。また、KA投与3日後にマウスの脳切片を作製し、HE染色および免疫組織化学的染色を行って、各細胞成分の形態変化を調べた。その結果、ニューロンの損傷はいずれのマウスにおいても同程度に認められた。アストロサイトはいずれのマウスにおいても反応性に肥大した。ミクログリアの反応として、細胞体が伸長・肥大した特徴的形態を有する活性化ミクログリアが多数出現した。この活性化ミクログリアの肥大パターンは、SAMP10とSAMR1とでは大きく違っており、SAMP10の活性化ミクログリアは細胞体が小さく、また突起も少なかった。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Morphological impairments in microglia precede age-related neuronal degeneration in senescence-accelerated mice.2010
Author(s)
Hasegawa-Ishii, S., Takei, S., Chiba, Y., Furukawa, A., Umegaki, H., Iguchi, A., Kawamura, N., Yoshikawa, K., Hosokawa, M., Shimada, A.
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Journal Title
Peer Reviewed
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