2010 Fiscal Year Annual Research Report
VEGF阻害が浸潤形質を誘導する分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
21590459
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
井上 正宏 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 統括研究員 (10342990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 洋子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究員 (20359300)
奥山 裕照 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究員 (50432373)
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Keywords | 浸潤 / 血管新生 / VEGF / HIF |
Research Abstract |
VEGFシグナル阻害による転移・浸潤形質の誘導の分子メカニズムを明らかにすることを目的として、まず、血管新生阻害がもたらす低酸素の役割に注目した。hypoxia inducible factor(HIF)は低酸素応答を司る転写因子であり、血管新生阻害による浸潤形質の誘導に重要な役割を果たしている可能性がある。昨年度までにHIF-1α膵島特異的ノックアウトマウスとVEGFノックアウトRIP-Tag2マウスとの交配を行うことにより、HIF-1の機能を検討した。重複ノックアウトマウス(VEGF/HIF-1αDKO,RIP-Tag2,)はVEGF単独ノックアウトマウスと比較して長命であった。VEGF単独ノックアウトマウスで見られた腫瘍の浸潤形質が重複ノックアウトマウスでは著しく低下していることが明らかになった。そこで、浸潤形質に関与したHIF-1α下流遺伝子の同定を試みた。VEGF欠損腫瘍ではE-cadherinの発現が低下していたので、重複ノックアウトマウスでE-cadherinの発現の変化を検討したところ、E-cadherinの発現は野生型腫瘍と同等であった。膵島β細胞はE-cadherinとN-cadherinが同時に発現していることが知られているが、VEGF欠損腫瘍ではN-cadherinの発現も低下していた。E-cadherin低下とN-cadherinの低下は相補的な関係であった。当該年度は接着因子の発現の変化や浸潤形質の出現が短期的な低酸素応答であるかどうかを、最近我々が開発した初代培養細胞を用いて検討した。短期間の低酸素暴露では接着因子の発現変化は観察されなかった。低酸素によるHIFの活性化がと浸潤形質を伴う低酸素耐性クローンの選択に関与した可能性がある。
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Research Products
(5 results)