2009 Fiscal Year Annual Research Report
トリパノソーマ感染宿主細胞における酸化ストレス応答とアポトーシス制御解析
Project/Area Number |
21590461
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
嶋田 淳子 Gunma University, 医学部, 教授 (20211964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑生 俊光 群馬大学, 医学部, 助教 (60344917)
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Keywords | 応用微生物 / 感染症 / ストレス |
Research Abstract |
Trypanosoma cruzi感染宿主細胞ではdeath receptorを介するアポトーシスが抑制され、宿主抑制因子cellular FLICE inhibitory protein(c-FLIP)が機能的にはたらいていることを明らかにしてきた。c-FLIPの発現上昇機構を解析する過程で本タンパク質がnitrosylationという分子修飾を受け、ユビキチン化による分解経路が抑制される可能性が示唆された。そこで原虫感染細胞におけるnitrosylationおよびアポトーシス抑制との関連について解析を行った。ヒト由来培養細胞HT1080にT.cruziを感染させ、biotin switch techniqueを用いてnitrosylationされたタンパク質の網羅的解析を試みた。その結果、感染細胞では複数のタンパク質が検出され、その中にはc-FLIPカスペース-8が含まれていることが明らかとなった。次に、原虫感染におけるNO産生とアポトーシスの関連を調べる目的で、T.cruzi感染細胞にiNOSの阻害剤であるL-NMMAを添加し、アポトーシス抑制が回復するかについて検討した。Fas抗体によりアポトーシスを誘導6時間後に、T.cruzi感染細胞では非感染細胞に比ベアポトーシスは抑制されるが、L-NMMAを添加した場合には、感染細胞でアポトーシス抑制が部分的に回復することが示された。以上より、T.cruzi感染細胞では宿主細胞内でNOの産生が起き、iNOS阻害剤によりアポトーシス抑制が回復することから、活性窒素が本抑制に関与している可能性が示唆された。
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