2010 Fiscal Year Annual Research Report
トリパノソーマ感染宿主細胞における酸化ストレス応答とアポトーシス制御解析
Project/Area Number |
21590461
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
嶋田 淳子 群馬大学, 医学部, 教授 (20211964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑生 俊光 群馬大学, 医学部, 助教 (60344917)
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Keywords | 感染症 / 応用微生物 / ストレス |
Research Abstract |
Trypanosoma cruzi感染宿主細胞ではdeath receptorを介するアポトーシスが抑制され、宿主抑制因子cellular FLIP inhibitory protein(c-FLIP)が機能的にはたらいていることを明らかにしてきた。昨年度の結果からT.cruzi感染細胞では活性酸素種の産生が起こり、中でも活性窒素(NO)産生および活性窒素合成酵素(iNOS)の発現が上昇していることが明らかとなった。そこで、本年度はアポトーシスとの関連を解析することを目的とした。HT1080細胞にT.cruziを感染させ、抗Fas抗体(CH11)を用いてアポトーシスを誘導した。その際、活性酸素の阻害剤であるN-メチルモノアルギニン(NMMA)を添加して実験を行った。アポトーシス誘導24時間後に細胞を集め、FITC標識活性型カスペース-3抗体を添加しフローサイトメトリーによりアポトーシスを起こした細胞の割合を測定した。また同時に、T.cruzi感染マウスから得た血清を用いて感染細胞をAPCで蛍光標識し、感染、非感染細胞を区別した。アポトーシス誘導前では感染、非感染細胞いずれも活性型カスペース-3は5%程度であった。誘導後、非感染細胞では活性酸素阻害剤の有無で差は認められず、いずれも55-58%であった。一方感染細胞では、アポトーシスが抑制され、阻害剤を加えない場合には12.3%、阻害剤添加では18.5%であった。阻害剤を添加した場合にアポトーシスが誘導される細胞がやや上昇したことから、原虫感染細胞では、活性酸素によりアポトーシス抑制が解除される傾向が認められた。またこの時、c-FLIPの分子修飾がおきているかどうかを確かめるため、biotin switch法により解析を進めているところである。
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