2011 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマHSP70による樹状細胞ワクチンとIFN-γ・MyD88の役割解析
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21590462
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青才 文江 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (80150316)
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Keywords | トキソプラズマ / 熱ショック蛋白70(HPS70) / IFN-γ / MyD88 / 樹状細胞(DC) / 細胞性防御免疫 / Th1/Th2/Th17 / 細胞傷害性T細胞(CTL) |
Research Abstract |
トキソプラズマ感染における病態像は原虫の株や病原性の違いのみならず、宿主の防御免疫により統御される。IFN-γとMyD88はトキソプラズマ感染宿主の防御免疫に必須であり、その欠損マウスは弱毒株の感染によっても死に至る。感染感受性C57BL/6を背景にもつIFN-γおよびMyD88欠損マウスを免疫不全実験モデルマウスに用いることにより、免疫不全宿主の致死性トキソプラズマ症に対するトキソプラズマHSP70(T.g.HSP70)によるDCワクチンの実用化に向け解析を進めている。 既に、(1)IFN-γおよびMyD88欠損マウスの樹状細胞(DC)もT.g.HSP70刺激による成熟分化すること、(2)適切なTh文化にはDCのみならずT細胞レベルにおけるMyD88の機能も必須であることを示した。さらに、(3)DC標的T.g.HSP70遺伝子ワクチンにより、所属リンパ節のDC成熟化とTh1誘導が惹起され、(4)このTh1分化誘導がTLR4/MyD88自然免疫シグナルを介すること、(5)T.g.HSP70遺伝子ワクチン効果が急性期のみならず慢性期感染に対しても有効であり、ワクチン効果惹起にもTLR4/MyD88が関与することを明らかにしてきた(Vassine 2001;29:1899-1905)。 本年度は引き続き、免疫不全モデルマウスの致死性トキソプラズマ症や母子垂直感染の防御に対するDC標的細胞性防御免疫誘導T.g.HSP70遺伝子ワクチン開発に向け、以下の研究を進めた。 (1)T.g.HSP70発現C57BL/6マウス由来DC株樹立による抗原特異的細胞性防御免疫の誘導 i)C57BL/6マウス由来DC細胞株(DC2.4)のTLR4発現とT.g.HSP70刺激による成熟化を確認し、T.g.HSP70遺伝子導入DC株(T.g.HSP70-DC2.4)を樹立した。 ii)感染急性期および慢性期のマウス脾細胞とDC2.4、トキソプラズマRH株感染DC2.4、およびT.g.HSP70-DC2.4を共培養しin vitroにおける感染急性期および慢性期のマウスの感染DC2.4、およびT.g.HSP70-DC2.4特異的CTL誘導能を解明した。 iii)C57BL/6マウスにDC標的T.g.HSP70遺伝子ワクチンを行い、T.g.HSP70遺伝子ワクチンによりT.g.HSP70-DC2.4のみならず感染DC2.4に対する特異的CTL活性が誘導されることを示した。 iv)DC標的T.g.HSP70遺伝子ワクチン後のC57BL/6マウス脾細胞からCD8+T細胞、CD4+T細胞を分離し、野生型および免疫不全モデルマウスに対する抗原特異的CTLの移入実験を行った。
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Research Products
(11 results)