2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎クラミジアの感染細胞内での生存・増殖様式を決定づける宿主応答と分子基盤の解明
Project/Area Number |
21590474
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 博之 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (40221650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 茂 杏林大学, 医学部, 教授 (10177587)
中村 眞二 順天堂大学, 医学研究科, 助教 (40207882)
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Keywords | 肺炎クラミジア / Chlamydophila pneumoniae / リンパ球細胞 / 付着 / エフェクター蛋白 / 外膜蛋白 / ストレス蛋白GroEL1 / 持続感染 |
Research Abstract |
肺炎クラミジア(Chlamydophila pmeumoniae)は呼吸器感染症起因菌であり動脈硬化症との関連性も指摘されている。肺炎クラミジアは上皮細胞、血管内皮細胞、単球/マクロファージ、リンパ球細胞等の多種多様なヒト細胞に感染する。しかしながら宿主細胞内での生存・増殖様式は感染細胞の種類により異なり、上皮系細胞内では良好に発育するものの単球/マクロファージ内では死滅しリンパ球細胞では持続感染に移行し顕著な細胞内増殖を示さない。この違いは肺炎クラミジアが保有する多様な感染機構に起因するものと考えられるが、その詳細は明らかではない。本研究では、肺炎クラミジアのヒトリンパ球細胞内での生存・増殖様式を決定づける宿主応答に関わる分子基盤を明らかにすることを目的として、肺炎クラミジアのリンパ球細胞における付着様式、侵入時の宿主応答、細胞内トラフィッキングそして菌体より分泌されるエフェクター蛋白の結合分子の同定といった4つの側面より、上皮系細胞や単球/マクロファージへの感染様式と比較しながら解析を試みている。本年度は特にリンパ球細胞への付着について解析を加え、ヘパリン側鎖を持つグルカンを介さない極めてユニークな付着様式にて細胞に固着し侵入していることを明らかにした。またクラミジアが付着・侵入しづらいリンパ球細胞の変異株の作製にも成功している。さらに、リンパ細胞内での肺炎クラミジアは、IFN gamma存在下でも非存在下と遜色なく増殖できることを見いだした。これらの研究成果は、肺炎クラミジアが何故リンパ球細胞に感染するのか、その意義を考える上で内で有益な情報を提供するものと思われる。
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Research Products
(22 results)