2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌エンテロトキシンの催吐シグナル受容体とその分子伝達機構の解明
Project/Area Number |
21590475
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
胡 東良 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 准教授 (10333733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 明夫 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30164239)
|
Keywords | ブドウ球菌エンテロトキシン / スーパー抗原 / 嘔吐活性 / メカニズム / 受容体 / 分子シグナル |
Research Abstract |
ブドウ球菌エンテロトキシンA(SEA)は黄色ブドウ球菌の産生する菌体外タンパク質で嘔吐誘導活性を示す一方、スーパー抗原活性を有することが知られている。しかし、SEAによる食中毒のメカニズムと受容体についてほとんど解明されていない。本年度の研究では: 1.rSEA及び各種mSEAの作製と大量精製(Large scale) : site-directed mutation法によりSEA分子上の二種類のアミノ酸を同時に変異させ,double mutant SEAを作製した.変異させたgene fragmentを大腸菌発現ベクターに組換え,さらに大腸菌に導入し,組換え大腸菌を用い,各種のmSEAを大量発現・精製した. 2.mSEAとrSEAの物理・化学処理及び消化酵素に対する抵抗性の比較検討:SEAは,ペプシン,トリプシンなどの消化酵素や加熱・pH変化などの物理化学処理に対する反応性と抵抗性の変化を調べ,SEAの分子構造とその生物活性と関係を検討した. 3.嘔吐動物モデル・スンクスに対するmSEAとrSEAの催吐活性の比較検討:スーパー抗原活性を欠損させていたmSEA及びrSEAをそれぞれスンクスに経口及び腹腔内投与し,mSEAとrSEAの嘔吐活性とスーパー抗原活性を比較検討した.SEA分子上の催吐活性に重要な部位をフォーカスした. 4.SEA催吐シグナル受容体の検索,解析及び同定-SEAとスンクス腸管細胞・神経細胞との結合の解析:作製したrSEAまたはmSEAをそれぞれスンクスに投与し,その後,30,60及び120分に胃・腸管・脳をサンプリングし,抗SEA抗体と免疫蛍光染色によりSEAと結合する腸管部位,腸管上皮細胞,リンパ細胞などの経時的の変化を観察・解析した.さらに,作製したSEAを腸管上皮細胞,マスト細胞及び神経細胞に刺激し,催吐活性に重要なターゲット細胞と分子をを検索中である.
|
Research Products
(5 results)