2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床分離腸球菌のSec依存性IIa型バクテリオシンの解析
Project/Area Number |
21590476
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
富田 治芳 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70282390)
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Keywords | 腸球菌 / バクテリオシン / 定着因子 / 抗菌活性物質 / 院内感染菌 |
Research Abstract |
臨床分離腸球菌は健常人の腸管から分離される腸球菌と比べ優位にバクテリオシンを生産する株が多いことから、バクテリオシンは腸球菌の病原性(定着能等)に関連すると考えられる。私達は臨床分離腸球菌から発見した強い抗リステリア菌活性を持つ新規のSec依存性IIa型バクテリオシンを2種類(Bac31とBac43)発見し、解析を行ってきた。これまでの解析からBac31とBac43ではその抗菌活性が異なり、Bac43の方がより強い活性を持ち、また抗菌域も広かった。しかし、分泌型(活性型)Bac31とBac43蛋白質はそれぞれ43アミノ酸、44アミノ酸から成るが、Bac43のC末端の1アミノ酸Rを除き、アミノ酸配列はほぼ同一であった。異なる内部配列は13、21、23、24、36番目の5つのアミノ酸残基のみであった。本年度はこれらのどのアミノ酸残基が抗菌活性、特に抗菌域に重要であるかを調べた。クローン化したBac43のバクテリオシン遺伝子を基に、PCR法を利用し、5個の互いに異なるアミノ酸配列をBac31の配列のものへ置換したキメラ型バクテリオシンを16種類構築した。それぞれのキメラ型バクテリオシンを発現する腸球菌を用い、軟寒天重層法によりバクテリオシン活性を測定した。その結果、13番目と24番目のアミノ酸配列を同時にBac31型に置換(E13Q、G24R)するとその活性が現弱することが解り、これらのアミノ酸が活性に重要であることが解った。しかし、5つのアミノ酸を全てBac31型に置換したキメラ型Bac43は完全にはBac31と同等の活性及び活性域は示さなかった。これらの結果から、IIa型バクテリオシンの活性には分泌型のアミノ酸配列だけではなく、遺伝子の発現量(転写量、プラスミドコピー数)、蛋白の分泌効率(シグナル配列)などの菌体外分泌蛋白量自体が影響していることが推察された。
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Research Products
(4 results)