2010 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性化するS maltophiliaの薬剤耐性と病原性の研究
Project/Area Number |
21590477
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
谷本 弘一 群馬大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40188389)
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Keywords | 遺伝子 / 感染症 / 抗生物質 / 細菌 |
Research Abstract |
平成22年度には以下に挙げる実験を行い結果を得た 1.平成21年度より行っていたMLSTによる菌株間の系統的な関連についての解析を終えた。その結果、本研究で用いられた株の多くは、これまでMLSTについて報告されてきた外国の株と異なるMLSTプロファイルであることがわかった。これらのことから海外からの株の流入が殆どなかったのではないかと推測される。また、臨床分離株ではあるが病院内で選択され何らかの原因で広がった株ではなく、市中で獲得された株が病院内に持ち込まれたのではないかということが推測される。これらの結果はPFGEで得られた結果と合致するものであった。 2.耐性遺伝子の検索に先立ちインテグロンの検索を、インテグラーゼに特異的なプライマーを用いたPCRによって行った。その結果、45.5%がクラス1のインテグロンを保持していた。しかしながらインテグロンの両端に特異的なブライマーを用いてPCRを行い、インテグロンの持つ耐性遺伝子の検出を試みたが1株からもPCR産物を得ることが出来なかった。クラス2、クラス3のインテグロンを持つ株はなかった。インテグロンに関与しない耐性遺伝子については検出を続けているところである。 3.病原因子としてプロテアーゼとリパーゼの産生を調べたところ、それぞれを産生する株は86.4%と31.8%であった。両方を産生する株は28,8%であったがリパーゼを産生する株の多くは(90.5%)プロテアーゼを産生していた。
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