2011 Fiscal Year Annual Research Report
偏性細胞内寄生細菌・リケッチアの飢餓応答機構の解明
Project/Area Number |
21590481
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内山 恒夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90151901)
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Keywords | 飢餓応答 / 昆虫 / リケッチア / 細菌 / 微生物 |
Research Abstract |
リケッチアは偏性細胞内寄生細菌であり、マダニ、シラミ、ノミ等の媒介節足動物(ベクター)中で共生的に生存し、経卵伝播する。通常、ベクターは吸血するまで年余にわたり飢餓状態で生残するが、リケッチアはベクターの飢餓状態にも対応して生存を続ける。本研究では飢餓環境におけるリケッチア生残のための応答機構を、培養細胞レベルで分子生物学的に解明することを目的とし、リケッチアを感染させた昆虫細胞あるいはマダニ細胞に飢餓状態を誘導した場合に、それに応答してリケッチアのいかなる遺伝子群が発現するかを解明することを目指した。 マダニ細胞(DALBE3、ISE6)を培養し、アミノ酸枯渇により誘導されるオートファジー関連遺伝子の発現状態で飢餓状態の成立をモニターすることを試みたが、市販のヒトあるいはラットのオートファジー関連抗原に対する抗体はマダニ抗原との交差反応性が弱く、オートファジー誘導をモニターできなかった。そこで、マダニ(Dermacentor albipictus)由来のDALBE3細胞でのオートファジーをモニターする目的で、D.albipictusのAtg12に対する抗体を作製し、この抗体を用いてマダニ細胞におけるオートファジーをモニターすることを試みた。 これとは別に、マダニ細胞、ほ乳動物細胞(Vero、HeLa)に非病原性の紅斑熱群リケッチアR.montanensis、Rickettsia sp.LONなどを感染させると、リケッチア増殖の抑制がみられ、オートファジーの関与が示唆された。この感染細胞に病原性株を重感染すると非病原性リケッチアの増殖が惹起され、病原性株がオートファジー抑制因子を産生している可能性が推測された。これらから、マダニ細胞内でのリケッチア持続感染とオートファジーとの関係の重要性も示唆された。
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Research Products
(8 results)