2011 Fiscal Year Annual Research Report
宿主免疫応答におけるカンジダ核酸成分の認識とCタイプレクチン受容体による調節機構
Project/Area Number |
21590489
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
宮里 明子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50400370)
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Keywords | Candida albians / TLR9 / dectin-2 / TLR9/dectin-2^<-/->マウス / 共同作用 / 宿主免疫 |
Research Abstract |
本年度も昨年同様、TLR9、dectin-2遺伝子および両遺伝子を欠損したマウス(TLR9^<-/->、dectin-2^<-/->およびTLR9/dectin-2^<-/->)を用い、in vivoおよびin vitroで検討を行った。 in vitroの検討では、TLR9^<-/->、dectin-2^<-/->、TLR9/dectin-2^<-/->マウスの骨髄由来樹状細胞を用い、Candida DNAおよびCandidaの酵母型と共培養し、上清中のサイトカイン濃度を測定した。するとTLR9/dectin-2^<-/->マウスにおいて、それぞれ単独の遺伝子を欠損したマウスよりサイトカイン産生能が低下していた。 In vivoでは、野生型および各遺伝子欠損マウスに、経静脈的にCandidaを感染させ検討した。その結果、TLR9^<-/->、dectin-2^<-/->、TLR9/dectin-2^<-/->マウスは、野生型と比較し腎臓内の菌数が著明に増加していたが、その程度は各群で差はなかった。しかし、好中球を主体とした炎症細胞浸潤、微小膿瘍からなる腎孟炎の程度は、TLR9/dectin-2^<-/->マウスにおいてより強かった。脾臓のリンパ球分画では、TLR9/dectin-2^<-/->マウスでIFN-γ産生細胞が他群より減少していた。さらに、TLR9/dectin-2^<-/->マウスでは脾臓の形質細胞が増数しており、血清中の抗カンジダ抗体価が、TLR9^<-/->、dectin-2^<-/->マウスより増加あるいは減少していた。このことから、腎臓での炎症誘導および抗体産生に、両受容体からのシグナルが共同で作用していることが示唆された。 このように、細胞内および生体内でのTLR9とdectin-2の相互作用を明らかにすることは、同菌に対する宿主免疫をより詳細に理解することとなり、免疫療法も含めた治療戦略を考えるために非常に重要であると思われる。
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