2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590501
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
室井 正志 Musashino University, 薬学研究所, 准教授 (70311389)
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Keywords | 免疫 / 細菌 / エンドトキシン / Toll-like receptor / lipopolysaccharide |
Research Abstract |
本研究は、ヒトのマクロファージ細胞等でエンドトキシンの認識にかかわる受容体複合体Toll-like receptor(TLR)/MD-2分子が活性型エンドトキシンを認識した際に2量体を形成する性質を利用してエンドトキシンの検出を行うエンドトキシンバイオセンサーを開発するものである。 本年度の目的はキメラ遺伝子の共発現プラスミドの作成、CD14/MD-2共発現プラスミドの作成、および、発現レベルの調節とルシフェレース活性の測定である。TLRとルシフェレースのN末側(Nluc)およびTLRとルシフェレースのC末側(Cluc)を結合させたキメラ遺伝子を作成し、これを共発現ベクターに組み込み両遺伝子を共発現するプラスミドを構築し、両蛋白が発現することを確認した。また、CD14/MD-2共発現プラスミドも作成し、両蛋白が発現することを確認した。さらに、発現効率を上げるためにTLRの細胞内領域を欠失するものとルシフェレースのキメラ遺伝子も作成し、良好な発現を確認した。リコンビナントのTLR/ルシフェレースキメラ蛋白の作成を目的にTLRの細胞外領域とルシフェレースを結合させたキメラ遺伝子も作成し、発現を確認した。TLR/Nluc-TLR/Cluc共発現プラスミドとCD14/MD-2共発現プラスミドは異なる薬剤抵抗性遺伝子が組み込まれており、両薬剤で選別することにより両プラスミドを保持した細胞を比較的容易に得られる。現在、それぞれの共発現プラスミドを一過性の発現させた細胞を用いてルシフェレース活性を測定している。 本測定系は既存の測定系が適用できない血液製剤中のエンドトキシン管理や、臨床分野におけるエンドトキシン血症等の診断等に利用可能なだけでなく、高度な特異性を持ち、生理的に意味のある、迅速・高感度な本検出法は基礎研究を含む広範囲にわたってのエンドトキシン研究に大きく寄与するものである。
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