2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590501
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
室井 正志 武蔵野大学, 薬学研究所, 准教授 (70311389)
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Keywords | 免疫 / 細菌 / エンドトキシン / Toll-like receptor / lipopolysaccharide |
Research Abstract |
本研究は、ヒトのマクロファージ細胞等でエンドトキシンの認識にかかわる受容体複合体Toll-like receptor(TLR)/MD-2分子が活性型エンドトキシンを認識した際に2量体を形成する性質を利用してエンドトキシンの検出を行うエンドトキシンバイオセンサーを開発するものである。 本年度の目的は確立したエンドトキシンセンサー細胞の評価である。前年度にTLR4の細胞内領域を除いた遺伝子(TLR4dC)とMD-2さらにluciferaseのN末領域(Nluc)もしくはluciferaseのC末領域(Cluc)の2種の遺伝子のキメラ遺伝子(MD-2/TLR4dC/N/ucおよびMD-2/TLR4dC/C/uc)を共発現するプラスミドを作成し、これらの遺伝子を安定的に発現する細胞を確立した。これらをLBP、sCD14存在下、エンドトキシンで刺激しても残念ながらluciferase活性の増大は観察できなかった。TLR4に結合したNlucおよびClucの動きが制限されているため両者が近接できない可能性を考え、TLR4とNlucおよびClucの間にフレキシブルなスペーサーを挿入したキメラプラスミドも作成したが、一過性発現の系でluciferase活性の増大は観察できなかった。さらに、細胞外領域でNlucおよびClucの近接が観察できる可能性を考え、TLR4のN末にNlucまたはClucを結合させたキメラプラスミドを作成したが、これも一過性発現の系でluciferase活性の増大は観察できなかった。 本研究ではエンドトキシン検出系の確立には至らなかったが、本測定系は既存の測定系が適用できない血液製剤中のエンドトキシン管理や、臨床分野におけるエンドトキシン血症等の診断等に利用可能なだけでなく、高度な特異性を持ち、生理的に意味のある検出法であるため、さらなる検討が必要である。
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Research Products
(8 results)