2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590506
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星野 忠次 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90257220)
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Keywords | 変異体ウイルス / 薬剤耐性 / シミュレーション / 分子動力学計算 / プロテアーゼ阻害剤 / 有機合成 / 薬物設計 / 合成経路 |
Research Abstract |
本研究では、野生株のHIVではなく、薬剤耐性を持つ変異ウィルスに最大の薬効を持つ薬物を創出圧する。薬剤耐性を生じるアミノ酸変異は、一種類ではなく、D30N,L90M,G48Vなど幾つかの深刻な変異が知られている。将来的には、それぞれの変異ウィルスに薬効を持つ複数の薬剤群を揃えて、患者のウィルス型に合わせて、最適な薬剤を選択できるようにすることが目標である。このように薬剤のレパートリーを揃えることにより、HIVをコントロールし、HIV患者が生涯に亘り、エイズ発症を抑制できる。本研究では、184VならびにV82A変異体に対し強い薬効を示すプロテアーゼ阻害剤を創出することを目的とする。具体的には、(A)阻害剤を計算機で設計し、(B)設計薬剤を合成し、(C)in vitroで薬効を評価確認する。研究期間内では、設計、合成、評価を繰り返し、変異体ウィルスを標的とした薬剤創出を達成することを目指す。 平成22年度は、184VならびにV82A変異体に対し、計算機を使用して有効な化合物構造を見出すことができ、化合物の有機合成を開始した。幾つかの阻害剤候補薬物については合成が完了し、合成化合物の活性評価を実施した。複数の阻害剤候補薬物を合成した上で、活性の強さを測ることで、より良い阻害剤候補薬物が得られるので、今後、さらに阻害剤の計算機設計を進め、活性評価の結果を受けて、必要に応じて改良を加える必要がある。従って、引き続き、計算機シミュレーション、結合評価と繰り返し、設計薬剤の最適化を進める。
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[Journal Article] Structural and Biochemical Study on the Inhibitory Activity of Derivatives of 5-nitro-furan-2-carboxylic acid for RNase H Function of HIV -1 Reverse Transcriptase2011
Author(s)
H.Yanagita, E.Urano, K.Matsumoto, R.Ichikawa, Y.Takaesu, M.Ogata, T.Murakami, H.G.Wu, J.Chiba, J.Komano, T.Hoshino
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Journal Title
Bioorganic Medical Chemistry
Volume: 19
Pages: 816-825
Peer Reviewed